たべちゃいたいほど、恋してる。




歯に衣着せぬ率直な百合の言葉はグサリグサリと容赦なく龍之介の心に傷を負わせていく。

しかも全てが的を得ているだけに言い返すことも出来ない龍之介。


俺だってお前みたいなの彼女にしない、などと口が滑った日には明日の朝日など拝めない。


龍之介は言葉にならぬ思いを胸にぐっと押し黙る。


すると次の瞬間、百合の口調が静かなものに変わった。




「…でも、あんたわかってんでしょ?それでもあの子が好きなのは…あんただけなんだって。」




言葉を続けながら真剣な眼差しを龍之介に向ける百合。


その瞳は紛れもなく"姉"のもの。


彼女なりに優衣のことを心配しているのだろう。

優衣は誤解されやすい自分の弟が初めてプライベートな空間に連れてきた彼女。




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