たべちゃいたいほど、恋してる。
そこで思い切って戻した髪色。
久々に見た自分の本来あるべき姿に違和感を感じないこともないが、やはりこれが自分なのだと実感する。
先程から人と擦れ違うたび感じる視線が更にそれを実感させた。
普段から周りの視線が厳しい龍之介ですら居心地が悪い。
しかし、今ばかりは気になる視線も仕方がないだろう。
この髪色が目立つのだということは、十七年というまだまだ短い人生経験の中でも十分理解しているつもりだ。
誰からも目を付けられることの多いこの髪色は世間的に良い印象を与えないらしい。
それでも今は、この色に戻してよかったと心底思う。
中学時代、この特徴ある色は龍之介が龍之介である最大の象徴であった。