たべちゃいたいほど、恋してる。
宿った光は、確かに優衣の恋人である"大上龍之介"のものだった。
自信と男気と優しさと。
全てを取り戻したその瞳。
一歩踏み出せば銀色は太陽の光は自分のものだというようにキラキラ輝きふわりふわりと風に揺れる。
歩きだした足はその歩みを次第に早め、気が付けばいつの間にか駆け足へ。
向かう先はもちろん、たった一人のお姫様のもと。
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「ここ、だよな」
龍之介は何度か訪れたことのある優衣の家の前に立っていた。
初めてここに来たのは雨の中で泣いている優衣を見つけたとき。
ふとその時の寂しそうな優衣の声が頭を過り苦しくなる。