たべちゃいたいほど、恋してる。
見上げた部屋のカーテンはきっちり閉められていて、中の様子は全く見えない。
それに僅かな違和感を感じた龍之介だったがその答えはわからなかった。
何より、ここへ来たはいいものの今は平日の昼間。
普通に考えて今優衣は学校へ行っているはずで。
家にはいないだろう。
ただ、今まで一度も見たことがなかった車が停まっていることだけが無性に気になった。
(どうすっかな…とりあえず、電話か?)
連絡が取れないことには何も始まらない。
そう思いポケットから携帯電話を取り出す龍之介。
そこで初めて自分の携帯のランプがピカピカと光っていることに気付いた。
メールの受信とは違う色のその光。
それは龍之介が気付かない間に誰かが電話を掛けてきたことを示すもの。