たべちゃいたいほど、恋してる。
"お昼はね、太陽で部屋干ししてるの!"
以前龍之介がなんとなしに聞いた質問に優衣がそう答えていたのを覚えている。
となると、やはり彼女は今自分の部屋にいるのだろう。
(なら何で部屋から出てこれねぇんだ…?体調が良くない?動けねぇくらい怪我が酷くなった?)
思い当たることは幾つかあって。
どれも当たってほしくない予想ばかり。
しかし、それでもまだどこかしっくりこない。
(何だ?まだなんかあるような…)
心で呟きながら視線を下ろす。
そこで龍之介ははっとした。
(もしかしてこの車、親父さんの…?)
視線の先には先程から気になっていた見慣れない車。
確証はないが、間違いないはずだと確信する龍之介。