たべちゃいたいほど、恋してる。
「────Do you wanna die?」
綺麗な、しかし威嚇するような地を這う英語が龍之介の口から吐き出される。
その瞬間、先程よりも鈍く痛そうな低音が響き、それに遅れて聞こえた音に誰かが倒れたのがわかった。
無論、龍之介は依然として優衣を守るようにして立ち続けている。
となれば倒れたのは一人しかいない。
それが誰なのか。
理解した瞬間、悲しみが沸き上がるのと同時に優衣の身体中に広がった安堵感。
その感覚に、やはり彼という存在が怖かったのだと実感した優衣。
「悪いな。お前が父親だろうと何だろうと…優衣を傷つけるっつーなら、俺の敵なんだよ」
その言葉に、抱き締めてくれる腕に。
また涙が滲んだ。