たべちゃいたいほど、恋してる。
勢い良く後ろからいれられた蹴の衝撃に優衣は再び床に倒れこんだ。
「お、お父さ…違っ!」
睨んでなんかない、と反論しようとした優衣だがそれが許されることはない。
優衣が何かを言うより早く、父親の拳が腹部に痛みを伴わせる。
「…がっ…っぅ…」
あまりの痛みに声が出ない優衣は痛みに耐えようとお腹を抱えるようにしてその場に蹲った。
だが、父親からの攻撃は止まらない。
優衣の家庭…父親は家庭内暴力、所謂DVを起こす男だった。
「お前のそういう顔、母親そっくりだな!グズ!!」
声を出せずにいる優衣に容赦なく襲い掛かる拳や蹴りといった暴力の数々。
それでも顔を殴らないのは、彼が世間的にそれなりの地位を確立しているからだろうか。