たべちゃいたいほど、恋してる。
そのまま部屋の奥に進みベッドへと腰掛け、向き合う形で優衣を膝の上に乗せる。
突然のことにきょとんとした顔で龍之介を見つめる優衣。
龍之介の目の前には、泣いたせいで目元が赤くなり本物の兎のようになっている優衣の姿が。
優衣の目の前には綺麗な顔で困ったように笑う龍之介の姿があって。
その龍之介の表情がなんだか無性に切ない。
優衣は無意識に両手を伸ばしぎゅうっと龍之介の首に抱きついた。
それを宥めるように龍之介の手によってぽんぽんとリズムよく叩かれる背中。
その暖かさが、これが現実なのだと優衣に教えてくれる。
(龍くんが、来てくれた…っ)
確かに龍之介はここにいる。
そう思えば自然と込み上げてくる涙。
じわりじわりと視界は歪んで。