たべちゃいたいほど、恋してる。
「龍く、ごめんなさ…っ」
謝るのは龍之介ではなく自分だと。
込み上げてきた悲しみと罪悪感に、優衣はごめんなさいと何度も謝罪の言葉を繰り返し声にする。
あの時、龍之介を避けることなく全てを彼に話していたら。
龍之介の言葉通り、井上の言葉に耳を貸さず彼だけを信じられていたら。
きっと優衣はすぐに父親が帰ってきたことを龍之介に伝えていただろう。
そう出来ていたなら、こんな迷惑を掛けることなどなかったはずで。
「なーんで優衣が謝んだよ」
後悔ばかりが次々と沸き上がって涙が止められない。
だがそんな優衣の耳に囁かれたのは呆れたように笑う龍之介の言葉。
苦笑を含んだそれが届くと同時に、よしよしと頭を撫でられる。