たべちゃいたいほど、恋してる。




「俺も、大好きだよ」




伝えた想いに返ってきたのは欲しかった言葉。願った言葉。


縋りつくように龍之介の服を握り締める優衣の頭をぎゅっと抱え込み、そのまま後ろに倒れる龍之介。


ギシリ、とベッドのスプリングが鈍い音をたてて軋む。


大きすぎるベッドの上に二人並ぶように横になれば、ぼろぼろととめどなく零れる優衣の涙。

泣き虫だな、と笑ってはそれを龍之介の長い指が拭う。


そのたびに溢れる"大好き"の想い。


優衣は横になった体勢のまま龍之介の胸に顔を埋めた。




「っふぇ…う…うぇ…」


「…優衣…」




肩を震わせ感情のままに涙を流す優衣をしっかりと抱き締める。


胸元に感じる涙の温度。

それが優衣が龍之介のもとに戻ってきた証。


その温もりが嬉しくてたまらない。




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