たべちゃいたいほど、恋してる。




優衣の首筋に痛々しく跡を残している鬱血痕。

服の隙間から見え隠れするそれに龍之介はぐっと眉を顰める。


それが自分のつけたものだったら。そうだったらどれほどよかっただろう。


そんな思いから龍之介は自然と奥歯を噛み締めた。


裏切られたのだ。

信じていた人に、最悪の形で。


どれほど怖く、苦しかったのだろう。

どれくらい辛く、悲しかったのだろうか。




「龍く、も…嫌いになっちゃう…?」




あの花のような笑顔を奪ったのだ。


今にも消えてしまいそうな震える声。

その声の中に音にならない悲鳴が聞こえて。


龍之介はぎゅっと優衣の頭を抱き締めた。


その存在を確かめるように。

腕のなかに閉じ込めるように、強く強く。




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