たべちゃいたいほど、恋してる。
「…なるわけ、ねぇだろ」
"好きすぎて、空回りしちまうくらい好きなんだから"
吐息に乗せ吐き出した言葉は、紛れもない本心。
腕のぬくもりはここにある真実。
もう、逃げも隠れもしないから。
どうか彼女を守ってやれるようにと、龍之介は強く願う。
もう傷付き蹲って朝を待つ優衣を一人にしないようにと。
「…ちゃんと話さなきゃ駄目だな、俺ら」
優衣の髪を撫で苦笑しながらそう言う龍之介に、コクコクと何度も頷く優衣。
それに答えるように龍之介も一度小さく頷く。
いつだって互いに余裕などなかった。
二人とも自分の感情に精一杯で。
周りの声に惑わされて。
もっと互いの話を聞いていたら、こんなことにはならなかったかもしれない。