たべちゃいたいほど、恋してる。
"いひゃい"と涙目で呟く優衣の言葉は龍之介には聞こえていない。
いや、聞かないことにしたようだ。
まるでお仕置きだとでも言わんばかりに摘まれ続けている優衣の頬。
物凄く痛いわけではないのだが、なかなか辛いこの状況。
ようやくその痛みから解放されたのは、あうあうと優衣が本格的にぐずりだした頃だった。
白い優衣の頬が見事にそこだけ赤く染まっている。
赤くなったそこを撫でるように這う龍之介の人差し指。
その視線はぶれることなく真っすぐに優衣の瞳を捕らえていた。
「だって、だって…!みんな釣り合わないって言ってるもん!」
そんな強い視線に一瞬戸惑いながらも、優衣は知ってるんだから!と涙を浮かばせたまま声を荒げる。