たべちゃいたいほど、恋してる。





"ばーか"




そんな時、ふいに優衣の脳裏に浮かんだのは龍之介の声と笑った顔、それから暖かい手のひらの感触だった。



何故、急に龍之介が浮かんだのかはわからない。



それでも優衣にはその姿が光のように見えて。



抜け出せない暗い闇のなか、優衣は縋るように龍之介の名を呼んだ。




「……お、が…ん……ぉ…がみ、く…」





< 55 / 574 >

この作品をシェア

pagetop