たべちゃいたいほど、恋してる。
そんな優衣の目蓋に、龍之介はそっと唇を落とした。
まるで泣いてもいいとでも言うように。
「…他の学校の男にさ、優衣が男と暮らすんだーとか言われて。頭きちまった」
優衣の頭を撫でながら、ごめんと小さく呟く龍之介。
髪を通る指がその深い謝罪を優衣に伝えて。
そんな龍之介に涙をぽろぽろ流しながら、優衣は懸命に首を左右に振る。
「そんなのっ知らない、よぉ…!」
言い切るその瞳に嘘はない。
知らない知らないと一生懸命訴える優衣の姿に、自分の方こそ優衣を信じきれていなかったではないかと龍之介は深い溜息を吐いた。
(まじで、格好悪すぎる)
穴があったら入りたいと思うほど恥ずかしい。
そもそも少し考えればわかることだった。