たべちゃいたいほど、恋してる。




近づきたくて仕方ないのに。

この距離を埋めたくて仕方ないのに。


怖くて、一歩が踏み出せない。


大切だから、傷つくのも傷つけてしまうのも怖くて。

嫌われたらと心が騒ついて。


それ故に離れてしまった距離。


でも、これからは違う。




「…ちゃんと、守っから」




擦れ違う辛さも、話し合う大切さも知った。

想い、想われていることもわかった。




「俺が、絶対幸せにしてやるから」




ぬくもりがこの手を離れてしまう寂しさも。

姿が見えないもどかしさも、歯痒さも。

心配するしか出来ない苦しさも十分すぎるくらい味わったから。


だから、同じ過ちは繰り返したくないと強く、強く思った。


絶対にこの手を離さないために。




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