たべちゃいたいほど、恋してる。
些細な擦れ違いから刻むことを止めていた二人の時間。
それが今、重なった手のひらに呼応して再び動き始める。
ぎしりと音をたてながら歪み始めていた歯車。
それは"想い"という潤滑油によってまたゆっくりと歩調を重ね。
ゆったりと、しかし確実に時計を動かし始めた。
まるで離れ離れになっていた時間を埋めるかのように。
少しずつ同じ時を刻む。
「ぜってぇ離してやんねぇから覚悟しとけよ」
「…離れないもん。龍くんが嫌って言っても知らないから。くっついたままだからね」
息がかかりそうな距離で龍之介が囁けば、優衣も負けじと潤んだ瞳で見つめ返す。
きゅっと身を寄せてくる優衣に、龍之介の表情は自然と緩んで。