たべちゃいたいほど、恋してる。




その言葉を思い出すたびカァァァッと熱を持ちはじめた頬を両手で押さえ、一人照れ始める優衣。


そんな優衣の様子に、周りを取り囲んでいたククラスメートたちはくわっと目を見開いて更に詰め寄る。

その顔の般若のようなこと。




「ためだって!早く別れなきゃ!」


「大上だよ!?大上龍之介だよ!?何されるかわかんないじゃん!」


「うーちゃん襲われてない!?」


「脅されたり、殴られたりは!?」




そして出てくる出てくる。


まるでマシンガンのように止まることなく飛んでくるのは、龍之介はやめろという非難の声。


次から次へと容赦なく飛んでくるそれに最初は黙っていた優衣だったが、段々と悔しさが込み上げてきて。




(龍くん、そんなこと…しないもん)




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