たべちゃいたいほど、恋してる。
「そういうこった」
その時、静まり返った教室に響いた一つの声。
優衣の後ろから聞こえてきたそれは、間違いなく優衣の大好きなもので。
聞くだけで心臓はきゅんと高く音をたてる。
そんな優衣とは対照的に、目の前の女子生徒たちは全員が一気にその顔を真っ青に染めた。
まるでこの世の終わりだとでも言わんばかりに。
何故そんな顔をするのか。
まったくもって理解できない優衣は不思議そうな顔で首を傾げた後、くるりと身体ごと龍之介の方へと振り返る。
「龍くん、もうお話終わったの?」
「おー…面倒だから適当に切り上げてきた」
ガシガシと右手で頭を掻きながら、あー…とかったるそうに溜息を吐く龍之介。