たべちゃいたいほど、恋してる。




優衣の目線の先には一人の小柄な女性と背の高い男性が立っていた。




「…お母さん?」


「優衣!!」




優衣が小さくそう呟いた瞬間、校門の前にいた女性はこちらに向かって一直線に走りだす。


それはもう地響きが鳴りそうなほど物凄い勢いで。




「ーっよかった!無事だったのね!?何ともない!?怪我は大丈夫!?」


「う、うん。だ、大丈…夫」




その勢いのまま優衣の肩を掴んだかと思うと、ガクガクと体を揺らし安否を確かめ始める。


本当は体の傷がまだ痛むが勢いのあまり言いだせなかった優衣。

優衣の魂が口から出そうになっているのだが、彼女はそんなことお構いなしだ。


そんな彼女はどうやら優衣の母親らしい。




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