たべちゃいたいほど、恋してる。




携帯を開き時間を確かめれば9時半を回っていた。




(帰ってきたのが6時過ぎだったから…うん。やっぱ途中で気を失ったのかも)




優衣ははぁ…と溜息を吐きながら、ゆっくりと歩みを進める。


これからご飯を作る気にはなれない。




(今日はコンビニで我慢かな)




とりあえず早く家に帰って落ち着きたい優衣は、一人ようやく道を覚えた家からほど近いコンビニをめざす。


一日中明るいコンビニは文明の発達が作ったシンボルであり、素晴らしい発明だと優衣は思う。


どんなに落ち込んでいても、そこだけは毎日変わらずに光っていて。


ちょっと羨ましいな、と思いながら優衣はコンビニへと入っていった。


見慣れた其処でパンとおにぎりを一つずつ手に取りレジに向かう。




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