たべちゃいたいほど、恋してる。
《その涙は雨ですか?》*狼side*
話は少し遡り─…
優衣を音楽室に送り届けたあの日。
校門の前に来ていた他校の男子生徒に絡まれた龍之介。
隣町からわざわざご苦労なことだと思いはしたが、だからといって喧嘩したくなるわけではない。
(睨んだくらいで顔色かえるなら来なきゃいいと思うんだか。面倒なんだよ、相手すんの)
もともと龍之介は自分から喧嘩ふっかけたりすることはほとんどなく。
喧嘩自体も、あまり良しとは思っていない。
わざわざ自ら傷を作るのも好きではないのだ。
(まぁ…売られた喧嘩は買うけど)
日に日に増える勝手に敵対心を燃やしてくる人間。
この日も相手が龍之介の都合に合わせてくれるはずもなく、結局喧嘩するはめになった。
しかも校門の目の前で。
当然教師に見つかり、きっちり停学処分が決定した。