たべちゃいたいほど、恋してる。




道沿いに間隔をあけて数軒並んでいるコンビニ。

何気なく普段使わない方へ足を向けてみる。




(そういやこっち、使ったことねぇな)




とりあえず飲み物を…と龍之介がコンビニの中へ入ろうとしたとき、ふと視界の端に動く物体が見えた気がした。


不思議に思い足を止めれそちらを見れば、どうやら人が蹲っているらしい。


普段なら気にも止めないものなのだが、その時だけは何故かやたらとその姿が気になってしまった。


その姿に見覚えがある気がしたのだ。


暗やみに浮かぶ小さな体と栗色の髪。



龍之介は引かれるように顔の見えないそれに近づいていく。




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