たべちゃいたいほど、恋してる。
そう思いながら優衣の様子を窺っていると、突如優衣の腕が龍之介へと伸びてきて。
あれよあれよという間に優衣の細い腕は龍之介の背中へと回っていた。
突然の出来事に身を固くする龍之介。
(……え、なんだこれ?)
慌てて身を引こうとする龍之介だが、泣きながら自分の名を呼ぶ優衣に何かあったのかと思いなおす。
大粒の涙を流す姿に龍之介は持っていた荷物を地面に置き、自然と自らの腕で優衣の小さな体を包んでいた。
抱き締めてやればさらにギュッと抱きつきしゃくり上げる優衣。
(…んな、泣くなよ)