たべちゃいたいほど、恋してる。




(…??なんだ?)





優衣の行動に首を傾げる龍之介だが、とりあえず大人しくその場で待つことにした。


優衣を待つこと数十秒。


パタパタと家の中から出てきた優衣の手には綺麗にラッピングされたクッキー。




「これ!こないだのお礼に焼いたの。よかったら…貰ってくれますか…?」




おずおずと差し出されたそれは所々割れていたが美味しそうなチョコチップで。




「…俺にか?」


「うん!音楽室に連れてってくれたお礼で…み、見た目は良くないけど頑張ったんだよ?」




大上くんに貰ったのに比べたら真鯛とたい焼きくらい違うけど…と恥ずかしそうに頬を染め涙声になる優衣。





(いや、いまいち例えられてねぇけど。人によっちゃたい焼きのが好きだしな)




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