たべちゃいたいほど、恋してる。
(……っあぶねぇ)
(一瞬本気でキスしたいとか思った…)
「…付き合ってもない女に何考えてんだ、俺」
帰りの道程、有り得ない自分の思考に龍之介は頭を抱えた。
(本能にのまれたら危なかった…)
それに…
「そんなことしたら泣くんだろーな…」
あの様子だと、男に迫られたら親父がフラッシュバックして怖くなるだろうと思う。
それくらい、優衣は傷付いていた。
「…理性が勝ってくれて助かった…」
泣かせるのは龍之介の趣味ではない。
出来るなら、笑顔が見たいと思う。
(遊佐なら…尚更な気がする。理由はわかんねぇけど。)
とりあえずは謹慎最終日の今日が早く終わることを願う龍之介だった。