たべちゃいたいほど、恋してる。
《優しい狼さん》
それはとても、夢心地な気分だった。
龍之介が角を曲がるまでその後ろ姿をぼーっと見つめていた優衣。
漸く正気が戻ってきたのは、無意識にお風呂に入った後、のろのろと自室に戻りベッドへダイブしてからだった。
「ぅ、ぅあぁぁぁああ…!!」
(ど、どうしようどうしようどうしよう!!わ、私大上くんに…だっ抱きついちゃったよ!しかも、だっだだだ抱っこされて帰ってきちゃったよぉぉお!!!!)
優衣は茹で蛸のように顔を真っ赤に染めてベッドの上を忙しなく動き続ける。
今更ながら優衣は自身のとった行動が恥ずかしくてたまらないらしい。
(……だってだってだって…!!あんな所で会えると思わなくて…会えたらなんか…安心しちゃったんだもん…ぎゅって…してほしくなっちゃったんだもん…)