たべちゃいたいほど、恋してる。
「おぉぉお!!美味しそうー!」
今にも食べたそうな顔で重箱を食い入るように見つめる優衣。
そして隣に置いてあった抹茶パフェのようなものに視線を移した。
綺麗な、まるで既製品のようなそれ。
(…こんなの、売ってたっけ…?)
大の甘党である優衣は近所のコンビニやケーキ屋のデザート類は欠かさずチェックしている。
だが、こんな商品見たことがない。
がしっ
「ふぬぉ!?」
ジーっと抹茶パフェを見つめているとふいにワイシャツの襟を引っ張られ、気付いた時には優衣の足は若干宙に浮いていた。
「な、ななななな!?う、浮いてる!!!!」
(しかも苦しい!)
じたばたと足をもがけばどうにか着地に成功。
ぐるんと効果音がつきそうな勢いで後ろを振り返ると、そこにはきつく優衣を睨む龍之介の姿が。
その眉間には深々としわが刻まれている。
「……てめぇ…いい度胸だな」