たべちゃいたいほど、恋してる。
初めての感情にどうしたらいいかわからない優衣は、ただ龍之介の名前をこの部屋で呼んでみることしか出来ない。
(…学校行ったら、なっちゃんに聞いてみようかな…)
そんなことを思っとき、ふとベッドの上に放り出された携帯が優衣の目にとまった。
「……あ……」
携帯を手に取り開いてみれば、最後に交わした龍之介との会話が頭をよぎる。
(そういえば、大上くん…俺の番号、とか言ってたような…)
帰りぎわに携帯とともに投げられた言葉を思い出した優衣は、ベッドから起き上がりカチカチと携帯を弄り始めた。
震える指で操作していく優衣。
電話帳を開けば、あ行の早いうちに見つけることが出来た"大上龍之介"の文字。