たべちゃいたいほど、恋してる。
「こっこれは…!!」
携帯に登録された龍之介の名前を見つけるや、つい緩んでしまう優衣の口元。
絵文字も何もなく入力されたそれは、優衣の電話帳には少し異質で。
しかし、簡素に入れられた名前や短いメールアドレスは間違いなくそれが龍之介のものであることを優衣に知らせていた。
優衣は携帯を握り締めながら挙動不審に視線を泳がす。
携帯の画面は電話番号の欄のままだ。
(はぅ…どうしよう。突然電話したら迷惑かな…?
でも…洋服のこと言わなきゃ、大上くん困ってるかもしれないし…)
(…それに…それに…)
「声、聞きたい、よ…」
無意識に紡がれたのは心の奥の小さな一言。
「…って…っ!?ぇ、ぁ、にゃぁぁぁあああ!?」
零れ落ちたまさかの言葉に発狂する優衣。
自分で自分の言葉が信じられなかった。