たべちゃいたいほど、恋してる。
『…くくっ…わ、わりぃ。泣くなよ。今、飯食おうとしてたとこ』
笑いを噛み殺しながら謝ったのであろう声に優衣は頬を膨らませ見えない龍之介の姿を睨んだ。
だが、食事前だという龍之介の言葉を理解するや、すぐさま申し訳なさそうに眉をさげる。
「あ…ご飯の前だったにごめんなさい…あの、私パーカー借りたままだったみたいで…」
どうしようかと思って電話しました…と遠慮がちに告げる優衣。
龍之介は優衣の言葉に思い出したように頷くと
『あー…別に遊佐が持ってていいぜ?たいしたもんじゃねぇし』
と特別気にした様子もなくそう告げた。
その言葉にぱぁっと輝いた優衣の瞳。
「ほっ本当!?」
いらねぇならタケに…と続けようとした龍之介を遮り身を乗り出した優衣の声は、電話越しでもわかるほど嬉々としている。