射しこむ光りはかわらない
まさか
今更そのフィルムを返せって事はないはず・・・だよな。
あれしかないんだから
彼女の写真は
渡すつもりはない。

「なんで?」

イロは不安になる。
「なんで?なんで?なんで!?そればっかじゃん。」

あまり気のながいタイプではないみたい。
「いや、だって写真の事なら話しついてるし、渡すつもりもないし。他に呼び止められるこころあたりもないし。」

国分恭子が解りやすく反応する。

「あ、やっぱ写真持ってんだ。
それ見してよ。」

写真の言葉に反応した国分恭子に、イロの気持ちがさらに不安に膨らんでいく。
「だから渡すつもりはないって!。」

それをを守るため絶対の拒絶を言葉に込める。
「だからちょーだいって理由じゃなくて、
見してって言ってるの。」
イロの勢いに
国分恭子の方が宥めるようにな言いい方になった。
「・・・、そうなのそれならかまわないけど・・・。」
はやとちりで興奮してしまったイロは少し恥ずかしくなった。
「よかった、どんだけケチなのかと思った。」
「けちって、今のは勘違い、それに」
やはり気が短い。
イロの言い訳が面倒なのか。
イロの言葉にかぶして国分恭子は話してくる。

「見てみたかったんだ歌ってる、
自分の姿を
うちのライブは撮影が基本NGだからどんな感じに人から見えるのかってね、
そしたら、カメラ預けてまで見に来てくれているイロ君が表れましたと。
これで謎は解明だね。」
確かに。

しかし謎が解けると、彼女と話しをする事に急に緊張しはじめた。

あれだけ見つめていた彼女がここにいる。
「こないだのは全部持って来る。またここにカメラ預けるから、それで来たのわかるよね。」

ヤバイ顔がみれない。
「わかるようにしとく、それではコレは返却します。」

渡されたカメラ
テジカメはポケットにしまい、一眼レフは首からさげた。

おくから国分恭子を呼ぶ声がする。それに返事をかえす彼女。

「私も片付け行くから、それ、さまになってんね。」

首から提げたカメラを指さす。

何がさまになっているのか意味は解らなかったけどイロは気分はよかった。

最高に

「あの、イロでいいから、「くん」は今度からいらないから。」
おくに向かおうとする国分恭子に言った。
「キョンって言われてる、良かったらそう呼んで。」
振り向いた彼女はそう言っておくに向かっていった。


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