また会う日まで
家まで歩いて20分はかかる。
不気味さを感じながら玄関を出ようとした時、
「恵那?」
誰かが私に声をかけた。
振り返るとそこには、部活終わりの優輝が立っていた。
「こんな時間まで残ってたのか?」
「うん。
クラス委員の仕事があって。」
「一人で帰ろうとしてただろ。
危ないって。
一緒に帰ろうぜ。」
「でも…。」
優輝の周りには他の部員もいて、私はその人達に目をやった。
「うん?
あぁ、いいのいいの。
じゃ、俺先帰るわ。」
他の部員にそう声をかけて、靴を履きかえ優輝は玄関を出て行ってしまった。