また会う日まで
「えっ?」
突然、優輝は立ち止まり、私の方を向いた。
「俺も、恵那が好きだ。」
「…優輝。」
信じられなかった。
目の前に立つ優輝は笑っていて、なのに私は泣いていた。
おそらく、人生で初めての嬉し涙だったと思う。
そんな私の頭をガシガシと撫で、そして、私の手を引いて優輝は歩きだした。
すごくすごく嬉しくて、下を向いたまま幸せを噛み締めていた。
温かい優輝の手。
絶対に離したくないと思った。
中学校を見た瞬間、そんな過去が一気によみがえってきた。
今、目の前に立つ26歳の優輝は、あの頃のままのトキメキを私に与えてくれた。