また会う日まで


中学時代の私達は、何度かカラオケデートもした。


優輝の歌声が大好きで、私はいつも聴き惚れていた。


「俺、あんまり歌わないから、恵那いっぱい歌いなよ。」


「一曲でもいいから、ちゃんと歌ってね。」


タッチパネルのリモコンを操作し、歌う曲を選んでいく。


カラオケに来るのは私も久しぶりで、ましてや優輝の前で歌うなんて10年振りだろう。


一曲目は緊張して声が震えてしまった。


3曲続けて私が歌ったところで、優輝が曲を入れた。


「うわっ、ヤベェ。
なんか緊張する。」


前奏が流れマイクを手にした優輝は、照れながら笑っていた。
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