また会う日まで


思い出す。


中学生の頃、初めて一緒にカラオケに行った時も、優輝はこうして照れていた。


優輝の歌声は、あの頃のように私の耳に響いてくる。


しばらく歌ったり、おしゃべりしたり、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。


「最後に一曲ずつ入れようか。」

「そうだな。」


私が先に歌い、続いて優輝の入れた曲が流れ始める。


私は、思わず優輝を見ていた。


「恵那、この曲好きだったろ?」

「うん。」


優輝が最後に入れた曲は、中学時代に私が好きでよく聴いていた男性歌手のバラード。
< 21 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop