また会う日まで
いっそこのまま時間が止まってほしいと思った。
けれど、無情にも時間は過ぎていく。
話したいことはいっぱいあるはずなのに、涙が溢れて声にならない。
「恵那…。」
優輝はいつまでも私を抱きしめてくれていた。
帰り道、私の手を引いて歩く優輝の背中が小さく震えていた。
「恵那、明日見送りはいいから。」
「えっ、何で?」
私の家の前に着いた時、優輝がそう言った。
「俺を見送ったあと、一人で帰る恵那が心配だから。」
「でも…。」
「なっ、お願いだから俺の言うこと聞いてくれ。」
「…うん、わかった。」