また会う日まで
いつも通り仕事をこなし、ようやく上がりの時間になった。
私は急いで帰り支度を済ませる。
「お先に失礼します。」
挨拶もそこそこにお店をあとにした。
なのに、いつも優輝が立っている場所に姿がない。
「優輝…?」
辺りを見回してみるけれど、やっぱり居ない。
どうして。
朝の胸騒ぎを思い出し、早鐘のように鼓動が鳴りだす。
胸が苦しくて、うまく呼吸が出来ない。
「優…輝。
……優輝。」
立ち尽くしたまま、どうすることも出来ないでいた。
そんな中、私のケータイが鳴り響く。
気持ちばかりが焦ってしまい、カバンの中から取り出すのに手間取ってしまった。