また会う日まで
やっと取り出したケータイのディスプレイには、登録されていない番号が表示されていた。
震える指で、やっと通話ボタンを押した。
「…もしもし?」
私の耳に届いたのは、知らない男の人の声。
『畑田恵那さんですか?』
「そうですけど。」
『…私は……』
カタカタと手が震える。
呼吸が乱れて、胸が苦しい。
その男の人の言葉が、遠のいていく。
ねぇ、何を言ってるの?
そんな冗談、笑えないよ。
そんな気持ちとは裏腹に、頬に一粒の涙が伝い落ちる。
どうして、ねぇ、どうして。
昨日まで、笑い合っていたじゃない。