また会う日まで


どうやって、この場所に辿り着いたのか記憶がない。


『警察署』


建物の入口にはそう書かれている。


覚束ない足どりで、私は警察署の中へと入った。


受付で身元確認に来たことを伝えると、しばらくその場で待たされた。


「畑田恵那さんですか?」


前から私に向かって来た、白髪混じりのおじさんが声をかけてくる。


「はい、そうです。」

「ご足労ありがとうございます。
では、こちらへ。」


刑事さんに続いて、私はただついて行った。


ひんやりとした冷たさを感じる部屋。


ガタガタと足の震えが止まらない。
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