また会う日まで
一人で佇んでいると、男の人がツカツカと私に向かって歩いてきた。
「あの、もしかして恵那さんですか?」
突然かけられた言葉にただ驚く。
「そうですけど…?」
「やっぱり。」
私がそうだと言うと、彼はニッと笑った。
「俺、前田俊輔っていうんだけど、優輝と高校が一緒だったんだ。」
「そうなんですか。」
「恵那さんの話、優輝から聞いたことがあってさ。
昨日、家に行った時にどこかで見たことがあるって思って。」
気さくな感じで、彼は話をしてくれた。
「優輝、あなたに会いに行ってたんだね。」
「はい。」