*写真屋の恋*
コンコンっ
「ごめーん!三好さんいる?ちょっと借りていいかなぁ?」
扉が開いてスタッフの一人が三好さんを呼ぶ。
三好さんは「あ、はい。」と言いつつニコニコしながら私を見つめて指示を仰ぐ。
「あ、三好さん行ってきて下さい。」
「ごめんねゆなちゃん!2時間ぐらい借りるわ!」
バタン。
「…。」
「…。」
うう…。
二人になってしまった。
猿渡さんはつまんなそうに作業再開。地味な仕事で申し訳ないけど、でも仕事は仕事だからね。すいません。
「…すいません柏井さん。ちょっと腹が痛いんで便所行ってきてもいいですか?」
「え!大変!どうぞどうぞ!」
「ホントすいません!ちょっと行ってきます!」
そう言って猿渡さんは荷物を持ってフラフラトイレに行った。