*写真屋の恋*
涙が…
出そうになる。
「私…」
「私…っ」
嘘…何言おうとしてるの私。
「私、センセイの事が…っ!」
ちょん。
へ?
センセイは余裕の表情で微笑みながら私の唇に人差し指を当てる。
口元が『シーーっ』と形を作る。
え、
どうして。。。
コンコンっ
「すいませーん、WATARUさん帰ってます?あ、いたいた!ちょっとみてもらいたいのあるんですけど…」
「ん、なんだい?」
スッと
風を切るように私の前から立ち去るセンセイ。
後ろ姿をただ見つめながら、私はその場から動けなかった。
「うーん、ちょっとその資料見せてもらおうかな。ごめんゆな君、ちょっと出てくる。」
パタン。
…。
…。
これって。
………。
振られたんだろうか、私。