*写真屋の恋*


ジャキジャキとハサミを動かしながら、少し唇を尖らせる。


「なんか複雑です。」


あの、したり顔の猿渡を思い出し、げんなり。


昨日の事を簡単に三好さんに説明し、次の作業をするためコピー機に移動。

ピッ

ガガガガガ…


「猿渡さんが居なくなってくれた事は正直嬉しいんですが、結局、猿渡さんの思い通りに事が進んだというか。むしろラッキーが重なってるんじゃないの?みたいな」


まだブーブー言ってる私の後ろの作業台で、相変わらず三好さんはニコニコ。



今日、本当は朝一番にセンセイに報告してやろうと思ってたけど…。

けど結局、報告出来てても私は上手く説明は出来なかったんだろうなって。


だって、なんていっていいか分かんない。

『本当は猿渡さん性格めっちゃ悪いんです。』

…それで?って感じだよね。


うーん。


まぁある意味これで良かったのかな?


でも世の中色んな人がいるもんだなぁ。


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