*写真屋の恋*
…うまく、普通の顔が出来ていただろうか。
武芳さんを見送り、言われた荷物をまとめる。
「…えっと、なんだっけ。予定表と…。」
なんだろう。
このふわふわする感覚は。
体が強制的に脳のスイッチを消してしまったみたい。ボーっとする。
でも、その方がいい。
私はセンセイの机に行き、ゆっくりと彼女に手を伸ばす。
カタンッ
だって、気を抜いたら身体中、黒い何かで塗りつぶされそうになるから。
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