*写真屋の恋*
「センセイ…、後悔してるんですか?」
その時、ちゃんと話し合わなかった事。
すんなり彼女を手離してしまった事。
センセイはクスッと笑って、ぽんっと私の頭を撫でる。
「ゆな君が思ってるよりも、彼女と僕はだいぶ冷め切っていたと思うよ。もともと彼女は、一つの方向を向くと後は必要ないって性格だったし。もう10年以上も前の事だしね。それに、」
センセイはいたずらっ子みたいにニッコリ笑い、楽しそうに私を見つめる。
「彼女は今では良い友人だよ。アメリカに居て、良いお母さんをしてる。ゆな君も彼女の子どもには会ったことあるんじゃないかな?」
「へ?!」
雪さんの子に?!
「ほら、初めて試し撮りだけ頼んだ、大和くん。」
ヤマトくん!
えー!!知らなかった!
え、というか、
「雪さんって生きてるんですね…!」
てっきり亡くなってると…、あれ?なんでそう思い込んだんだっけ?