*写真屋の恋*
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「ゆな君最近元気ないねー。」
「へ?!」
何がですか?
本当に身に覚えがなかったので聞き返す。
「いや、気のせいならいいんだけど。『吉田カメラ』の表紙撮影の日から、なんとなく。」
「…っ、そうですか…。」
ずいっ
「でも気のせいじゃないと思う。」
ふわりと切れ長の瞳に覗き込まれ、ドキリと心臓が跳ねる。
ぅ…っわ…っ!近っ!!///
「ななな…っ!!気のせいですよ!!あれから何週間たってると思ってるんですか!!」
おもわず後退りながら、綺麗な顔から離れる。
「え?いつだっけ…えっと…2週間??」
あってる?と言いたげに首を傾げられ、思わずなんの話をしてるのか分からなくなる。
「え?あ、はい、そうですけど。…はっ!そうですよ!2週間もたってるんですよ!私は全然元気です!」
「…つまり、やっぱり何かあったんだね?」
へっ?!
ずいっとまたサラサラの黒い前髪を揺らしながら近づかれ、さらに頭が働かなくなる。
思考停止させるには充分なパンチだ。
「…もしかしてあの化粧が濃いお姉さんに、なにか言われたかい?」