*写真屋の恋*



え……センセイ、?


え…?





なんて顔してるんですか。





「んー、本当は、子供プロダクションの若き社長で、僕の妻の、妹。」



「ぁあ、…妹さん、。」



「うん。」



「、…。」



……。


カタンと、傍らのあの写真立てを、そのなめらかな指先で撫でながら、センセイは泣きそうな顔で囁く。


「ある日突然、ね。」


額の中の女性は、最高の笑顔で、そよ風に吹かれながら手を振っている。

25・6歳かな。

ちょっとタレ目で、おしとやかそうな唇、サラサラの色素が薄い腰ぐらいまである髪。


黄色いワンピースが風にそよいでいる。

…ちょっとあの怖いオネエサンに似てる。




< 42 / 190 >

この作品をシェア

pagetop