*写真屋の恋*
「いつからっていってもねー…」
私はポツリポツリ、今までの事を喋り始めた。
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「って感じでさ、その薫さんにちょっと嫉妬しちゃって…。」
「ほー」
気が付いたら3本目の終わりにさしかかった酎ハイを片手に、私は宙を仰いだ。
センセイが居るわけでもないのに天井を見つめる。
ずっと相づちを打ちながら話を聞いていてくれていた峯村君が、そういえばと訪ねる。
「ちなみに、柏井さんて21ですよね?今まで彼氏とかいたんですか?」
「……。」
「……。」
「…今、『あ、いないんだ』って思ったでしょ」
「バレましたか。」
ニヤニヤしながら、峯村君はビール缶に口をつける。
「いや、バカにしてるとかじゃないんですよ?ただ、今の話聞いてたらずいぶんと初々しいなと思って。」