*写真屋の恋*

初々しいって…峯村君たしか20歳よね?年下よね年下。

ちょっとムスッとしながら峯村君を軽く睨む。

「いやいややっぱりバカにしてるでしょ。くっそー。どーせ恋愛初心者ですよー。初心者の癖に上級者向けの山登ってますよー。」

「くくっ。でも、もう下りるに下りられないんでしょ?その山。」


「そーなのよねー。……厄介よねー。」


ぐぁー。本当に厄介。


腕をうーんっと天井に伸ばしてそのままバタンと後ろに寝転がった。

カーペットが少しヒンヤリして少しだけ酔って火照った体が冷まされる。

シンプルな白い天井に浮かぶのはやっぱりセンセイの顔。


なんであんなにいつも近くに居るのに、こんなにも遠く感じるんだろう。


時々溢れそうになる気持ちをあの小さな写真立てが押さえつける。彼女の屈託ない笑顔が肺を締め上げる。


なんで、


なんでこんなに好きになってしまったんだ。


バカな私。











「…もうホント信じらんないな。」


「へ?」







カタンと





缶を机に置く音がした--- -



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